どうもAraiです。すっかり伸びてしまっていましたが、前回 (【初心者向け】街中で出来る運転練習法 3/5 (シフトアップ編)) に続きシフトダウン編です。気合い入れて書き上げていくので有効活用していただければ幸いです。
- 車両感覚 済
- 繊細なアクセルコントロール 済
- 踏力一定のブレーキング 済
- 滑らかで素早いシフトアップ 済
- 滑らかで素早いシフトダウン&ブリッピング ←今回
- 滑らかで素早いヒール&トゥ ←今回
- 低速での正確なライントレース 未
- 上記の複合動作をいつでも無意識に正確にできる 未
5.滑らかで素早いシフトダウン&ブリッピング
シフトダウンはなぜ必要?
あまり他の媒体ではしていないそもそも論的な話になるんですが、そもそもシフトダウンって何のためにやるか?をちょっと動機付けとしてしておきたいと思います。せっかく本業エンジニアなので、ありきたりなHow toに終始せず可能な限りWhyに踏み込みます。そういう本質的な理解が千差万別な実戦ケースの中で自力で答えを導く拠り所であり、そういう積み重ねが集団の中で抜きん出る”差”になります。それだけに人に知られたくないノウハウでもあったり…。
今回は文量の都合で簡単な説明に留まりますが、結論としてシフトダウンが必要な理由は”常にエンジンのパワーとレスポンスがいい回転数を維持するため“です。それによって得られるのは、”鋭い立ち上がり加速”と”アクセルによる挙動制御性”です。故にそれらが結果に直結するモータースポーツでは必須スキルながら、それらが重要ではない一般道向けに教習所では教わらないですね (せいぜいエンストしないレベルの操作) 。シフトチェンジ自体がエンジンという機械を使っている都合によるもので、詳細を説明しようとするとエンジンの説明が必要でこれまた長くなるのでそちらは後日独立した記事にて説明しようと思います。今回は一般論として極力レッドゾーンまで高い回転数を使いきると速い、と理解してもらえば良いかと思います。もちろんエンジンを壊さない範囲で、というのは大前提ですけどね。ピンとこなければ理論は置いておいて実際に回転数を変えてアクセルをオンオフしてみてください。回転が高い方が加速が鋭くて車の動きも大きいことが分かればそれで感覚的な理解は十分です。
シフトダウンのやり方とコツ
前述のシフトアップ同様、基本的にはシフトノブにテンションをかけた状態からクラッチを切って次のギアのゲートに当ててしばらく待ち、シンクロの同調時間を極力長く取ってあげる(ミッションのダメージを抑えるため)という点は同じです。ただ、シフトダウンはシフトアップと違ってタイムに直結するわけではないので、シフトアップよりも余裕を持った操作で問題ありません。
シフトダウン特有のポイントは「ブリッピング」が入ってくるところですね。シフトアップの時は次のギアでのエンジン回転数が下がるのでタイミングさえ合えばスムーズに繋がるのですが、シフトダウンでは合うエンジン回転が上がるのでスムーズかつ早くシフトしようとすると空吹かしで回転を合わせる操作(ブリッピング)が必要になってきます。具体的な回転を上げる量は各ギアのステップ比から計算できるのですが、さすがに走りながら計算しているわけではなくて実際はリズム感で合わせてます。要はギア比が離れてる分だけ吹かして合わせるということです。
で、その吹かす量が問題になるのですがこれは車によって変わります。また同じ車でもギアによって変わるので走りながら試して覚えていきます。基本的には下のギアに落とすほど吹かす量は増えていきます。あとは車によってアクセルの反応も違うのでそこも含めて練習します。エンジンの回転数は音で判断していきます。メーターでも確認できますが、反応が遅いことがあったりそもそもスポーツ走行の中では見ている余裕がないことも多いので音で確認が基本です。社外マフラーの方がやりやすいと言われるのはこの音が大きくて分かりやすいからですね。マニアックなこと言うとエンジンマウントを硬いものにすると振動音がよく聞こえるのでそれでもやりやすくはなります。
ということで実際にやってみた動画をご覧ください。乗り換え早々に撮ったこともあり精度はそれなりですが、逆に慣れてないうちは半クラで合わせているという参考にもなるかと思います。動画では分かりやすいように大袈裟に6→2速まで一気に落としてますが、まぁ実際にはこんなめんどくさいことをやるくらいならギア飛ばししたりニュートラルで減速しちゃったりしますね。
6.滑らかで素早いヒール&トゥ
ヒール&トゥはなぜ必要?
さぁやってまいりましたみんな大好きヒール&トゥです。具体的には何をやっているのか?というとブレーキを踏みながらブリッピングしてシフトダウンしています。2本足で3つのペダルを操作するのに、右足の爪先(トゥ)でブレーキ、踵(ヒール)でアクセルを操作するのでヒール&トゥというわけです。車によってはトゥ&トゥ(あるいはローリングトゥと言ってみたり)の方が良かったりしますが、総称して一般的には広義でヒール&トゥと呼ばれることが多いです。ぶっちゃけ足のどこで操作するかというのはどうでもいい(本質ではない)ので伝わればなんでも良いと思います。
ヒール&トゥの本質はブレーキングと同時にシフトダウンを素早くショックなく完了することにあります。ブレーキと同時にシフトダウンを済ませておきたい理由は、ブレーキが終わってから別途シフトダウンをするとロスになるからです。本当ならブレーキを終わらせて加速に移りたいタイミングでシフトダウンをやっていては遅いのです。また、ショックなくというのも重要で、ブレーキング中の車は不安定な状態にあるためシフトショックをきっかけに最悪スピンしてしまいます。ブリッピングなしに半クラで合わせるというのもアリですが、クラッチミートに気を使いますし強化クラッチなどで半クラが狭い車はそもそもショックが出やすかったりします。ブリッピングで回転が合わせられればクラッチはポンと繋いでOKですし、クラッチ板の摩耗も少なくなるので少なくとも車には優しいです。でも…大半の人はカッコイイからやってみたいが本音ですかね??せっかくMT車に乗っているならそれも楽しみの一つだと思いますし、そういうモチベーションも大いによろしいと思います。
ヒール&トゥのやり方とコツ
基本的には前途の通り、ブレーキとブリッピングを組み合わせているだけです。ただ、難しいのは2本の足で3つのペダルを操作しなければならない点です。それぞれ単独の時よりも格段に難しくなるので、まずブレーキングとブリッピングは思い通りに出来るようになっていることが必須です。クラッチは左足で操作するしかないので省略(まさか右足でクラッチは踏まないですよね…?)、右足でブレーキとアクセルを操作する方法についてです。ブレーキは爪先というより私の場合は親指の付け根辺りで踏んでます。安定して踏めて踏力のコントロールがしやすいからです。アクセル操作に関しては車によりけりですね。ペダル間隔が狭い場合は爪先の小指側で操作したり、間隔が広い場合は足の右側面辺りで踏んでます。名前通り踵で踏む、というのはあまりない気がします。
ポイントはブリッピングに意識を取られてブレーキやステアリング操作が不安定にならないこと!これに尽きます。ブリッピングはあくまでも補助動作なので、車の動きを決める主動作であるブレーキとステアリングが疎かになってしまうようでは鍛錬不足の本末転倒です。特に重要なのはブレーキの踏力に意識を集中させることです。ブリッピングの時に右足を捻りますが、その時にブレーキの踏力をしっかりキープすることが重要です。大体はブリッピングに引っ張られて減速がガックンガックンしちゃってます。で、そうならないためのコツですが、まず最初にブレーキを踏む時に足のどこで踏むか?というのがポイントです。ブリッピングでどうしても足を右に持っていかれますから、それを見越してやや右側で踏むとブリッピングのために足を捻る量が少なくて済みます。あまり右側ギリギリで踏むとブレーキを踏み外すリスクがあるのでそこは注意してバランスを取ってください。
こちらも動画があるのでご参考にどうぞ。ブリッピング→ヒール&トゥ→旋回→シフトアップをやっていて、コーナリングの基本の流れはこんな感じです。街中ならこのくらい出来るようになっていればOKだと思います。こちらも乗り換え直後の撮影なので操作の洗練度はちょっとイマイチです。
ヒール&トゥ Tips
ヒール&トゥのやりやすさは実は車によってかなり変わってきます。ポイントになるのはA(アクセル)ペダルとB(ブレーキ)ペダルの配置、つまり間隔と段差です。これがどちらも近い方がやりやすいのですが、近代の車は踏み間違いや両踏みしてしまった際の安全対策としてAペダルが奥かつ右側に離して配置されることが多いです。そのためノーマルのままだと結構難しい車も多い印象です。車側でブリッピングをやってくれる車種ならそれでいいとも思いますけどね。どうしてもそのままではやりにくいという場合はペダルの位置を変えてしまうのも手です。メジャーな車種であれば車種専用のもの、そうでなくても汎用のペダルカバーの類が社外で売っているかと思います。Aペダルが遠い場合が多いと思いますから、Aペダルを嵩上げしてやればかなりやりやすくなるかと思います。ただし、カバーが脱落したり引っかかってアクセル全開のまま大クラッシュ!のようなリスクも大いにあるのでそこは十二分に配慮をして取付してください。
ちなみに同様の理由からヒール&トゥは街乗りの方が難しいです。スポーツ走行ではブレーキを強く踏み込むのでABペダル段差が縮まる上、絶対的な踏力が大きいので踏力変化に対しての反応が相対的に寛容になります。街乗りではABペダルも遠ければ踏力変化も敏感に挙動に出るので、街中でスムーズにヒール&トゥできるように練習すればスポーツ走行は余裕を持って対応できるはずです。そういう意味でヒール&トゥを街中で練習する意義は大いにあります。
さぁ、ということで今回はここまで!次回はいよいよ完結編です。じっくり練習しながら待っていてくださいね!

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