【初心者向け】運転が上達するメカニズム

言うは易く行うは難し (意訳:更新遅くなり申し訳ありません)

前回の更新から早1ヶ月。気楽に書けば2週に1本くらいは上げられるだろうと思ってましたが、やはりお得意のやるやる詐欺を炸裂させてしまいました。アイディアだけはたくさん湧くのですが…実際にやり切るのは難しいですよね。アイディアを形にするまでやり切っている全ての人を尊敬します。やってみて、初めてわかる、人の苦労。というわけで今回もよろしくお願いいたします。

なぜメカニズム?

さて、今回は運転が上達するメカニズムについてお話ししたいと思います。というのも誰でも情報が簡単に発信できる昨今において、読み手の食い付きの良いHow to論は溢れている割に、じゃあそもそも運転が上手くなるってどういうこと?という根本の話はあまり見かけない印象があり…。でも、これから運転が上手くなろうという人には、むしろそこを説明して動機付けをする方が必要だろう、という思いから今回の話題をピックアップしました。私見にはなりますが、参考になれば幸いです。

上達の基本は反復練習

何かに真剣に取り組んだ経験がある人にとっては当たり前の話かもしれませんが、結論から言ってしまうと物事を上達するためには反復練習をする以外に道はないと思います。楽して上手くなるなんてことはまずありません (大体そういう書き方しているものはお金稼ぎの匂いが…) 。

と、それ自体はよく書かれている話だと思うのですが、今回はそこから私の経験を基にもう少し深堀ってみたいと思います。気の利いた図などがなく恐縮なのですが、私が初心者だったころを思い出しながらお話ししますね。

有意識無実行→無意識有実行

まず初心者の頃は…今思えばMT車をマトモに街乗りすら出来てなかったですね。お恥ずかしながら発進すらもエンジンは吹かしすぎ、クラッチは雑過ぎでエンストやホイールスピンのどちらかを行ったり来たり。で、これはどうしてそうなっていたかというと、要は一つ一つの操作に気を取られてしまって複数の操作が連携できていなかったからなんですね。発進の手順を例に取れば、まずクラッチを切る→ギアを1速に入れる→アクセルを踏んでエンジン回転を上げる→クラッチを徐々に繋ぐ→クラッチを完全に繋いだらアクセルを踏んで加速する…。といった手順を一つずつ一生懸命にやっていたわけです。でも恐らくこれを読んでいる皆様はそうではないですよね?発進しようと思えば無意識に上記の動作を行っていとも容易く発進して見せると思います。

で、その違いが今回お話ししたい重要なポイントです。要は人が物事を学習するのにはステップがある、という話です。以下にその5つの段階をまとめますね。

  • 1.無意識 無実行(知らないし出来ない)
  • 2.有意識 無実行(知っていても出来ない)
  • 3.有意識 有実行(意識すれば出来る)
  • 4.無意識 有実行(意識しなくても出来る)
  • 5.無意識 有実行&有意識 有実行(無意識に行っていることを意識して人に教えられる)

発進の例で言えば、初心者の私は2と3の間、皆様は4ということですね。そしてこのステップを踏むにはいわゆる身体で覚えるという概念が肝になります。生理的なメカニズムに関しては門外漢なので詳しくは分かりませんが、どうも人間は繰り返し実施する行動に関してはオートメーション化する特性を持っているようで、反復を重ねるほど意識せず実行できるようになります。つまり、無意識に出来るようになるまで反復することが練習であり、そこにはどうしても有限の時間が必要になってしまいます。なので、初心者のうちはまず極力運転する時間を確保して欲しいというのが私の考えです。少なくとも街乗りで特別意識をせず車を動かせるようになるまでは、モータースポーツのテクニックを練習するには早いかなと思います。

私の経験から言うと、人間が同時に意識して実行できるタスクはせいぜい2~3つが限界かなと思います。街乗りがおぼつかないレベルのところにいきなりヒール&トウやライン取り、荷重移動といった概念を詰め込んで果たして本当に実行出来るのか…?という話です。まずは焦らず基礎から一つずつ「無意識 有実行」を増やして欲しいと思います。いわゆる基礎固めですね。みなさんが憧れるようなレーシングテクニックも実際にはこうした反復練習によるオートメーション化の積み重ねで成り立っています。分かりやすいところだとギアチェンジを身に着けて、ブリッピングを覚えて、最後にヒール&トウとして完成させるといったようなイメージですね。

余談ですが、この5段階法は日本NLP協会のHPにも載っていました。私は誰かから聞いたのを発端に自分の体験で理解を深めた…という感じだったのですが、きちんと心理学で確立されたメソッドだったのですね。今回の記事を書いていて一つ賢くなりました。

運転を楽しむことが上達の秘訣?

ドラテクを構成する要素は非常に多岐に渡ります。ステアリングワーク、ペダルワーク、シフトワーク、ライン取りに荷重移動。これらも一つずつ身体で覚えることでテクニックとして実戦で使えるワザになります。プロドライバーが当然のように限界走行する裏には、実は膨大な練習量があることがお分かりいただけると思います。もちろんどこまで上達出来るかはモチベーションやリソース、適性によりますが、いずれにせよ反復練習は必須になります。

ここからはまた私の持論ですが、上達するには楽しむこと、これに尽きると思います。どんな小さなことでも良いので練習する中で学んだこと、身に着けたものを日々喜んでください。それが上達のモチベーションになりますし、なによりも何かに打ち込む体験それ自体が人生を豊かにすると思います。そうやって、運転が楽しいと思う人の輪が少しでも広がってくれたら私の本望です。と、話が飛躍したところで今回はここまでにしたいと思います。

長文お付き合いいただきありがとうございました。

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